若者・農業初心者必見! 最新ドローン農業ビジネス

近年ドローン産業が急激に成長していますが、その中でも「農業分野」は、今後欠かせないものになってくると考えられ、活躍が大いに期待されています。

なぜ農業分野での需要が望まれるのか、以下では農業の現状と今後ドローンが期待される理由を詳しくご紹介します。

農業分野が抱える問題

農業分野が抱える問題

■農業分野の高齢化と人手不足

農業は広大な面積の土地を、人の手でひとつずつ作業をしていきます。しかし近年は農業に携わる人の年齢が上がる一方。農家全体の高齢化がすすみ、跡継ぎのいない農家をはじめとした大量離農が問題視されています。

そんな中、2020年には農家全体の6~7割が70歳以上になるとの予想が。農家は実質定年が70歳と言われているため、あと5年ほどで農業経営者がさらに大量に減ることになるのです。

ちなみに現在新規就農者は毎年5~6万人。そのうち半数以上が60歳を超えて農家になった人(会社員や公務員を定年退職・引退した人)です。

ただこれは趣味として、自家用農作業をしている人数も含まれるため、実際に事業として農業をしている人は確実に減少傾向にあります。

■新規参入しづらい農業分野の現状

どうして農業に新規参入する若い担い手がいないのか。それは、昔から変わらない作業方法が現代人のやり方に合っていないことが理由のひとつと考えられます。手間がかかる作業は今も昔も変わらないものの、天候や物価に左右される農作物の価格。さらにはTPPなどの問題もあり、所得の不安はつきものといえます。

こうなるととても多くの借金をして、新規で農業をはじめようという気持ちにはなれないもの。苦労のわりに高収入が見込めない状況が、若者の農業分野への意欲を失わせてしまうのです。

こういった状況は農業に限ったことではありませんが、ITなど現代ならではのビジネスであれば工夫次第で効率よく稼ぐことも可能です。しかし農業はそれがしづらいアナログな仕事。さらに地方や郊外などが主な仕事場となるため、若いうちから都会に出てしまうと農業分野からは自然と遠ざかってしまうのです。

今後の農業で求められるもの

今後の農業で求められるもの

■高価な農業用機械に代わるものを

今後農業経営者が減り続けることを食い止めるため、少人数の経営者でも大規模な農地を管理できるようにする効率化が求められています。農業を楽にする農業用機械は以前から数多くあり、どこの農家でも現役で活躍していますが、いずれも高額。そう何度も買い替えることはできないため、リース契約をしたり他の農家と共同で購入したりなどが一般的です。

しかしそれでも高価で手が届かないものも多く、最終的には人間が地道に作業をすることに。

ただ、今後農業に携わる人が減るとなれば、農業用機械は低価格かつ大幅な効率アップを見込めるものが必要になってきます。一見無理ともいえそうですが、考え方を大きく変えることで道が開かれようとしています。

■ドローンの力が、農業分野の人手不足を解消する

農業を現代的なビジネスとして成り立たせるためには、農業=アナログな仕事のイメージを変えて、デジタルな仕事にする必要があります。人が汗をかいて苦労しながら行う農業ではなく、人がラクして機械に任せる農業に。そのための研究やデータ収集が、いまさまざまなところで行われています。

中でもドローン(UAV)は農業の改革に欠かせないもの。これまでのさまざまな農業の常識をかえた、新しい農業のスタイルを作り上げています。さらに今まで衛星や航空機、農業用ヘリを使っておこなわれていた作業がドローンやクラウドにかわり、画期的で効率的、低コスト、短時間、確実性など、メリットの宝庫といえる改革が期待されています。

農業分野で活躍するドローンのリモートセンシング

農業分野で活躍するドローンのリモートセンシング

■ドローンのバードアイによる圃場状況のチェック

圃場(ほじょう)とは、田畑や果樹園など農作物を育てる場所のこと。広大な敷地であればあるほど作物の生育状況をチェックする作業は困難となります。

しかしドローンにマルチスペクトルカメラ(多機能カメラ)を搭載し、空からリモートセンシング(対象を遠隔から測定)すれば、それまで人間が目視で行っていたよりも確実かつ短時間で正確な情報を読み取ることが可能になります。

■生育状況から病虫害の兆候まで

すでに行われた、イネの生育管理システムプロジェクトによるリモートセンシング実証実験では、ドローンによるモニタリングを定期的に行って生育過程を撮影し、十分な情報が集まることで、生育状況はもちろん病虫害の兆候を知ることができるようになることがわかっています。

まず、空撮画像からわかるイネの草丈の高さにより、生育ムラの把握が可能。同時にDSM画像(※1)からは過繁茂(かはんも)がわかり、イネなどが倒れてしまう倒伏(とうふく)の兆候を事前に発見できるようになりました。これにより追肥量も最小限で済むようになります。

さらにオルソ画像(※2)からは葉色の濃さから病虫害の兆候もみつけられるように。従来人間の目ではチェックしきれなかった圃場中心部も、ドローンのバードアイによって見逃すことがなくなり、農業経験が浅い人でもベテラン農業経営者並みの生育管理が可能となったのです。これらは定期的にドローンを自動飛行させ、蓄積されたデータを分析することでさらに精度の高い結果が得られるようになってくるでしょう。

空撮から物流まで、農業用ドローンの成長

空撮から物流まで、農業用ドローンの成長

■人間の作業をすべてドローンにゆだねる

ドローンの空撮技術は多くの分野で活躍していますが、農業分野ではさらに専門的な機能を持ったタイプが登場しています。中でも農薬散布用ドローンは散布ムラを減らしたり、自動操作が可能であったり、散布データの記録ができたりなど年々機能がアップ。

以前からある高額な産業用無人ヘリは高価でしたが、ドローンであれば安価で小さい圃場にも対応できます。自動操縦ができればラジコンヘリと違い操作技術もほとんど必要ないのもうれしいところ。

法律の問題があり、まだ完璧に利用できる環境は整っていませんが、将来的に種の直まきや肥料散布もできるようになれば、これまで人間が行っていた作業をほぼドローンにゆだねることが可能となるでしょう。

■現在活躍中の農業用ドローン

ドローン(マルチコプター)関連機器製造会社として知られているDJIは、数多くの農薬散布用ドローンを販売しています。

産業用ドローンの研究開発販売を行うナイルワークスでも完全自動飛行の農薬散布用ドローンをリリースし、機体やタブレット端末などセットにしたレンタルサービスを開始。

ドローン関連のさまざまな製品の開発と販売を行っているParrotでは、あらゆる民生ドローンに搭載できる、小型のマルチスペクトルセンサー(カメラ)を発表しています。人の目には見えない波長を測定できるセンサーを搭載しており、作物の成長に重要なデータを収集可能です。

ドローンの活躍で今後農業がどう変わるか

ドローンの活躍で今後農業がどう変わるか

■農業初心者もベテラン並みの農場管理が可能になる

上記3-2リモートセンシングの結果でも取り上げましたが、農業の機械化やコンピューターによる制御が進むことで、圃場の管理が誰でも同じようにできるようになりました。結果的に農業経験が浅い初心者でも、長年農業に携わっているベテラン並みの圃場管理ができ、収穫が見込めると期待されています。

これは、これから農業に新規参入しようとしている若者や、農業をはじめたいけれど予算や収入の面で不安を抱えている人などにとっては非常に心強いものとなるでしょう。

■少人数でも大きな結果・利益が見込める

ドローンの自動飛行など、ほとんどの農業機械を自動化することで少人数でも大規模な農地を管理できるようになります。これにより大量離農が予想される数年後でも、今と変わらない収穫量や利益が見込めることに。さらに今までは経験値や勘に頼って行っていた作業も、豊富なデータにより情報として得ることができるので、農業経験が浅い人でも安心。

今までのアナログなイメージがガラリと変わるため、現代的なビジネスを望む人ほど新規参入に向いていると考えられます。

■農業用ドローンが抱える課題

魅力が多い農業用ドローンですが、まだまだ課題も多くあります。特に問題なのがドローン本体の精度。これは急速に向上しているものの、農薬散布飛散や、航行中の安全性などは本格的な実用となっても常に意識すべき課題となるでしょう。

また実用化が急がれる一方で法律や運行基準が整っていません。2016年4月にはマルチローター式小型無人機(ドローン)の運行基準が定められましたが、今後も変更や追加が予想されます。

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